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よく耳にするポンジスキームとは?

高利回りの甘言に惑わされないように注意

ポンジ・スキームとは投資詐欺の一種である。この手口は古くから存在しており、最近でも仮想通貨や不動産投資などさまざまな分野で横行している。その特徴は、異常な高利回りを謳い、投資家を引き付けることだ。年利30%以上、月利3%以上など、まず現実的な運用では到底実現不可能な高利回りを提示するのである。

このように常識はずれの高利回りを掲げることで、投資家の群がるのを待つ。最初は少額からでも投資可能だと持ちかけ、実際に一定期間は高配当を支払う。これにより投資家の信頼を得て、より多額の出資を促すのだ。

しかし、実際には出資金の運用は一切行われていない。新規の出資金を配当金に充て、次から次へと出資を募るだけなのである。そしてある程度の出資金が集まったところで、詐欺師は突然姿を消し、投資家に多額の被害を残すのが常套手段だ。

かぼちゃの馬車事件に見る悲惨な実態

ポンジ・スキームによる被害は後を絶たない。2017年に起きた「かぼちゃの馬車事件」は有名な例である。ある不動産会社が「かぼちゃの馬車」と名付けた女性専用シェアハウスを、サブリース契約で不動産投資家に販売していた。

契約条件は、家賃収入を30年間保証し、利回りは8%と極めて有利なものだった。投資家は高額な融資を組んで物件を購入したが、実際には入居者が集まらず、数年で不動産会社は経営破綻に陥った。結果、投資家は高額の負債を抱え込むこととなったのである。

甘い言葉に惑わされぬよう気を付ける

ポンジ・スキームを見破るポイントは以下の通りである。

第一に、異常な高利回りを謳っていないか。現実的な運用では到底実現不可能な高利回りであれば、疑ってかかるべきだ。

第二に、元本保証を約束していないか。元本保証のある金融商品は預貯金と国債のみである。それ以外で元本保証を謳っていれば、間違いなくポンジ・スキームの可能性が高い。

第三に、投資家の紹介制度があり、高額な紹介料が設定されていないか。ポンジ・スキームは投資家による新規投資家の勧誘で被害が拡大するのが特徴である。

最後に、海外の不動産など、直接現物を確認できない投資案件ではないか。実在しない商品で出資を募ることも、ポンジ・スキームの常とう手段なのだ。

投資に際しては、このようなポイントに留意し、甘言に惑わされぬよう気を付けなければならない。一旦被害に遭えば、出資金の回収は極めて困難になるであろう。